コンシューマーゲーム大辞典

世界で最も売れなかったゲーム機
ピピンアットマーク（Pippin atmark）は、バンダイ・デジタル・エンタテイメントとAppleが共同開発したMacintosh互換のマルチメディア機。
名前の「ピピン」はリンゴの一品種から由来。
Classic Mac OS (7.5.x) と互換性のあるpippinOSを搭載。
CD-ROMドライブを内蔵し、Macintosh用ゲームもプレイ可能。
ハードディスクはなく、フラッシュメモリを使用。
標準でモデムを搭載し、ダイヤルアップでインターネット接続が可能。
1996年3月から日本とアメリカで販売開始。
アメリカでは「pippin@WORLD」として販売。
売上は50万台製造に対し、わずか4万2千台の販売にとどまった。
「世界で最も売れなかったゲーム機」と称される。
家電量販店向けに販売計画したが、リベート支払いを拒否。
売上不振の原因は、ユーザー利益が提示できなかったこと、価格の高さ、ソフトウェアの互換性未実現。
累計損失額は約260億円。
1998年に事業担当子会社は解散し、次世代機は発売されなかった。
社内の判断により、オンラインコミュニティ機能が開発中止。
Appleはピピンの失敗に関与せず、関連会社の責任として否定。
撤退後、ピピン用のサーバーは携帯向けコンテンツ提供に転用。
本体価格は49，800円（税別）。
幾つかの周辺機器も発売されていた。
ピピン用のゲームソフトは少数で人気作品が登場しなかった。