コンシューマーゲーム大辞典

原作：横溝正史『金田一耕助シリーズ』の代表作
■ ゲーム内容・システム
モノクロの墨絵タッチで描かれる、雰囲気重視のビジュアル
プレイヤーは名探偵・金田一耕助として捜査を行う
タッチペン操作中心のアドベンチャーゲーム
重要ワードを会話で使う「ドラマチックキーワードシステム」搭載
詰まった時は金田一が頭をかく「ボリボリシステム」でヒントを得る
自分の行動次第で物語が分岐し、複数のエンディングに到達
■ ストーリー・雰囲気
舞台は昭和の信州、犬神財閥の相続争いをめぐる連続殺人事件
小説の原作をほぼ忠実に再現、映像的演出もあり
昭和の古い語彙（例：衆道、復員）など、時代背景の理解がやや必要
■ 評価・レビュー傾向
Amazon評価：★3.7（22件）
良い点：
雰囲気・BGM・墨絵タッチが原作ファンに好評
クロスワードや虫食い算などの新聞ミニゲームが良いアクセント
相関図や人物検索などのサポート機能が便利
原作を知らない人にとってはストーリー理解の入門にも最適
悪い点：
ゲーム性が非常に薄く、ほぼノベルゲーム
自由な移動や調査はなく、一本道で淡々と進行する場面も多い
原作既読者には展開が読めてしまい、推理性が薄い
スキップ機能が弱く、再プレイ（エンド回収）がだるい
真エンドの条件が非常に厳しく、情報が少ない
■ 総合まとめ
原作小説の雰囲気と物語を忠実に追体験できるDS向けサウンドノベル型作品
ADVやミステリー好き、原作未読者には高評価
操作の自由度や謎解きの高度さを求める人にはやや物足りない
金田一ファンや横溝作品に触れたい人には“静かに没入できる佳作”といえます。